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2020年08月05日

プレスリリース

加古川市におけるスマートシティプロジェクトを通じた
少⼦化克服と⼈材育成・継承への対応


〜 ICTを活⽤した保育⼠の働き⽅改⾰の実現と快適な保育環境の提供 〜

加古川市
株式会社⽇建設計総合研究所
ユニファ株式会社

 兵庫県加古川市では、加古川市まち・ひと・しごと創⽣総合戦略にもとづき、「⼦育て世代に選ばれるまち」の実現に向けて、都市の安全・安⼼を柱とするスマートシティプロジェクトの推進を通じて、市⺠の満⾜度や⽣活の質(QOL)の向上に資する地域課題解決を⽬指しています。
 本市の主な地域課題として、①⼈⼝減少・少⼦化克服への対応(平成24年12⽉をピークに⼈⼝減少に転じており、平成29年には全国で9番⽬に転出超過の多い⾃治体)、②⾼齢化への対応(認知症の⾏⽅不明者発⽣率が全国平均の3倍強など)といった課題が挙げられ、全国共通的な都市課題の先⾏地といえます。特に、①については、幼児教育・保育の無償化や、共働き家庭の増加などにより、保育ニーズが⾼まっている反⾯、待機児童の問題や、保育⼠不⾜(右下図参照)に直⾯しています。また、それらの対応と合わせて、⼦どもが⽇常を過ごす環境の充実も喫緊の課題となっています。
 そこで、本市では、「保育⼠の働き⽅改⾰」の視点から、ICT の導⼊等による⼦どもと接する業務以外の部分での効率化(事務負担の軽減等:右下図参照)に向けた実証研究や、多様な働き⽅についての調査・研究に参加しました。保育園等で⽣活する⼦どもたちと、保育⼠(保育教諭)が、より快適に、そしてより多くの時間において互いに触れ合える園づくりに取り組むことにより、⼦どもや保護者からも、保育⼠からも「選ばれるまち」を⽬指します。
 上記取組みは、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活⽤したサイバー空間基盤技術におけるアーキテクチャ構築及び実証研究」(管理法⼈: 国⽴研究開発法⼈新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))のスマートシティ分野アーキテクチャの構築・検討に資する実証研究として、株式会社⽇建設計総合研究所が実施した複数テーマのうち、モデル保育園における保育⼠の働き⽅改⾰と快適な保育環境の実現に向けた実証です。なお、ICTツールの活⽤においては、「スマー
ト保育園®」を提唱するユニファ株式会社の協⼒も得て進めました。
 昨年度のSIP実証研究結果(次⾴以降のSIP実証研究結果①/②)を踏まえ、今年度は、国⼟交通省・スマートシティモデル事業(スマートシティの実装に向けた検討調査等)において、モデル園での効果検証や市内展開の検討を⾏うとともに、ポストコロナ社会に向けて「保育分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」や「⾮接触型のICTツールの普及・展開」を⽬指します。



ICTを活⽤した保育⼠の働き⽅改⾰の実現【SIP実証研究結果①】 ​
〜 ICTツールの活⽤等により、各種記録の効率化と事務作業にかけていた時間縮減を実現 〜

 


 保育⼠の働き⽅改⾰を実現するため、現在の⽇常業務について、効率化できる業務を調査したところ、保育⼠は園児と向き合う保育や教育の時間以外に、各種記録や書類作成の事務作業に時間を要していることが分かりました。そこで、これらの時間を縮減することで、保育⼠の時間外労働を減らし、園児と向き合う時間を増やすことを⽬指すこととしました。

 上記を実現するため、ICTツールの活⽤に係る実証(2019年12⽉〜3⽉)を市⽴「川⻄こども園」にて⾏い、効率化の効果が確認できました。引き続き、市⽴保育園・こども園におけるICTツールの導⼊を順次進めていく予定です。また、ICTツール活⽤推進のため、今後保育⼠のOA機器対応能⼒向上も併せて検討していきます。



(※1) キッズリー登降園管理 (https://kidsly.jp/c/attendance/) (※2) ルクミー体温計・専⽤アプリ(https://lookmee.jp/thermo/
(※3) ルクミー午睡チェック(https://lookmee.jp/gosui/

ICTを活⽤した快適な保育環境の提供【SIP実証研究結果②】
〜 いろいろなツール・データを上⼿に組み合わせることによって、より良い環境を創出 〜


 加古川市にある「川⻄こども園(写真)」を本実証のモデル園として選定し、暖房を⽤いている期間(2019年12⽉〜2020年1⽉)において計測を実施しました。計測は、園内にある諸室のうち、0・1歳児室、2歳児室を対象として、それぞれ約30個の環境センサー(温度、湿度、照度、⾳、UVなど)を設置して、実施しました。計測に併せて、保育業務向けのICT器材(登降園管理、⾮接触体温計、午睡センサーなど)も導⼊し、園で計量している電⼒データ、匿名化した園児の健康管理簿(⽇報記録)のデータなど、取得でき
た様々なデータを活⽤してクロス分析を⾏ないました。

 主な分析①では、保育園向けのICTツールの活⽤により、保育⼠の作業負担を軽減することに加えて、保育に充てる時間を増やすことも可能となりました。また、主な分析②③は、エアコンの使い⽅に関する分析ですが、②では、エアコンを順番に運転することによって、園全体の電⼒が軽減される可能性があることが分かりました。③では、併設されているシーリングファンを併⽤することによって、園児のいる低い位置の温熱環境を改善するだけでなく、エアコンの稼働時間も減らせる可能性があることも分かりました。快適な環境を損なうことなく、光熱⽔費の削減効果も期待でき、加古川市内の他の園にも⽔平展開できる知⾒が得られました。



参考:「スマート保育園®」について

ユニファ株式会社が進める「スマート保育園®」は、 AIやIoTなどの最新テクノロジーの活⽤によって保育現 場の事務作業等の負担軽減を進めることで、保育者の⼼ と時間にゆとりをもたらし、⼦どもの豊かな発達と家族 の幸せを実現する次世代型の保育園です。

 

※「スマート保育園」は ユニファ株式会社の商標登録です。
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<報道関係者お問い合わせ先>
ユニファ株式会社 広報部