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2021年03月09日

お知らせ

写真を活用し保育者同士の語り合いの促進・気づきを提供
「往還型ドキュメンテーション研修」終了報告


~終了後アンケートでは参加者の9割以上が「子どもの写真の見方に変化があった」と回答~

 テクノロジーで保育と社会を変えるユニファ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:土岐泰之、以下ユニファ)は、2020年11月28日(土)、全国の保育施設300施設を対象とした、全4回ワークショップ形式の研修プログラム「往還型ドキュメンテーション研修~ニューノーマルな時代の保育~」をオンラインにて実施致しました。




開催の背景

 ユニファでは、ICTツールの導入がゴールではなく、保育の質の向上に寄与するために保育者の方々に「いかに有効に活用していただけるか」にこだわっています。
 厚生労働省の報告書※1 にも日々の子ども達の活動を写真で撮影し、保育者のコメントを加える「ドキュメンテーション」の実践が、保育の魅力に関する発信手段の例として挙げられている他、コロナ禍において保育を見える化する重要な手段として注目されています。
 一方で、写真や動画を撮影しても保育の振り返りに活用できている保育施設はまだ少ないのが現状です。そこで、保育者の業務負荷を軽減しながら、活用につながる実践的な写真ドキュメンテーションのノウハウを提供したいという思いから、往還型ドキュメンテーション研修の開催に至りました。

※1 出典: 厚生労働省「保育の現場・職業の魅力向上に関する報告書
※2 往還型研修とは、保育施設以外の外部研修で受けた内容を保育現場で実践し、それをまた次の研修に持ちよる等外部研修と保育現場での実践の往還を繰り返す研修スタイルのことを指します。保育の質の向上を期待できる研修スタイルとして注目を集めています。

 

往還型ドキュメンテーション研修開催概要(全4回)

研修は、2020年11月28日(土)~2021年2月10日(水)までの全4回、毎月オンラインで開催され、のべ150名の保育者が参加しました。100名を超える規模でのワークショップ型のオンライン研修を行ったのは、保育業界では初めての試みとなります。

▼日程
・第1回 2020年11月28日(土)「保育の質向上」
・第2回 2020年12月11日(金)・12月16日(水)ワークショップ「記録としての写真活用方法①」
・第3回 2021年1月19日(火)・1月20日(水)ワークショップ「記録としての活用方法②」
・第4回 2021年2月10日(水)合同成果発表会

▼監修・ご登壇
・白梅学園大学名誉教授 無藤 隆先生
・玉川大学教授 大豆生田 啓友先生
・保育のデザイン研究所 川辺 尚子先生

対象
全国の保育施設の園長・主任/法人内ご担当者の皆さま

▼主催
ユニファ株式会社

 

参加者からの反響(終了後アンケートより)

「新たな視点での子どもの姿への気づきがあった」96%



「写真の見方が変わった」93%



参加者のコメント

・写真を通して子どもの想いを想像したり、次の活動にどう繋げたらよいか話し合えたり、職員間で、こどもについて話す機会が増えた。先生同士の考え方・保育観を知ることができた。

・保育写真は記録だけではなく、子どもの姿や成長を読み取ることが出来ると学んだ。日々の子どもの姿を写真に写しているので、職員や保護者とも共有し、子ども理解を深めたいと感じた。また、研修で学んだことを活かし、保育の中で新たな取り組みができ、毎日の保育がより楽しくなりました。

・写真の撮り方や見方、職員で子どもの話をすることでコミュニケーションも取れ、1人の考えでなくなった分ドキュメンテーションの作成が負担と感じなくなりました。他の人から意見をもらう大切さを学ぶことができました。
 

有識者からの評価

「子どもの理解から、計画と実践の振り返りへつなげる挑戦が興味深いです」


 今回の皆さんの発表では、「子どもの理解」にとどまらず、例えばサークルタイムや、環境の工夫など、保育の中身や方法へチャレンジしている発表が一定数ありましたね。その面白さはあるな、と私自身興味深く聞かせていただきました。「こういった発表は振り返りの手ごたえが大きかったのではないでしょうか。 厚労省の『保育士等が行う保育内容等の自己評価の流れ』には、子どもの理解から、計画と実践の振り返り、改善・充実に向けた検討につなげていく、という流れが記載されていますが、この研修を通じてみなさんがされてきたことは、正にこれだと思います。

・玉川大学教授 大豆生田 啓友(おおまめうだ ひろとも)先生

 玉川大学教育学部教授。専門は、乳幼児教育学・保育学・子育て支援。
 青山学院大学大学院教育学専攻修了後、青山学院幼稚園教諭などを経て現職。
 日本保育学会副会長、こども環境学会理事、等。
 NHK Eテレ「すくすく子育て」をはじめ、テレビ出演や講演活動など幅広く活動中。

 

「どの発表でも、先生方がとても楽しんでおられているのが印象的でした」


 先生方の発表を見させていただきましたが、どの発表でも、先生方がとても楽んでおられているのが印象的でした。例えば学会の論文のような難しい発見、ということではなく、自分たちの保育のこととして、それぞれの工夫をされているのがわかりました。
 ドキュメンテーションというのは、大枠のやり方はあれど、実際の細かい実践方法はさまざまで、特定の正解があるわけではありません。そういった中でも、今回の実践を通じて、みなさんがよりよい保育に向けて改善に踏み出して行く様子が表れていたように感じました。

・白梅学園大学名誉教授 無藤 隆(むとう たかし)先生

 東京大学教育学部卒業、東京大学教育学研究科博士課程中退。
 東京大学新聞研究助手、聖心女子大学助教授、お茶の水女子大学教授などを経 て、現職。
 社会的活動 元・日本質的心理学会理事長、元・日本発達心理学会理事長、
 日本乳幼児教育・保育者養成学会理事長、元・中央教育審議会委員、
 元・内閣府子ども・子育て会議会長、国立教育政策研究所上級フェローなど。

 

 

ルクミーの保育ドキュメンテーションについて

 ルクミーフォトを活用した写真ドキュメンテーションについては、こちらでご紹介しています。ぜひご覧ください。
https://lookmee.jp/documentation/